ヨブ記 31章6節の解説

経文: "神が私の行いを測り、私の無実をその秤の上に置いてくださるなら、私の無実が正しく、私が義を行った証明となるだろう。"

聖書の意味と解釈

この節は、ヨブが自身の無実を神に訴え、彼の道が正しいことを証明するよう求めています。以下に、著名な公的著作の解説からこの節の意味をまとめます。

マシュー・ヘンリーの解説

ヨブは、自身の行動が神の前で測られるべきだと主張しています。彼は神に自らの義を証明してほしいと願います。ここで強調されるのは、神が公正であり、正義の神であるということです。ヨブは苦しい状況に置かれていても、自分の信仰を持って神に訴えています。

アルバート・バーンズの解説

バーンズは、ヨブが神に対して自分の潔白を証明したいという熱意を持っている点に注目します。この節は、神の評価が最も価値のあるものであることを示しています。ヨブは、人間の評価や批判ではなく、神の評価に重きが置かれるべきだと考えています。

アダム・クラークの解説

クラークは、ヨブが自己弁護をしているが、それが神に対してどのような意味を持つのかを考察します。彼は、神の基準である正義に立って、自らの正しさを神に訴えることが重要であると説明しています。また、神の計画や目的を理解するためには、自己評価が不可欠であるとも述べています。

この節に関連する聖書の交差参照

• 詩篇 1:6 - 主は正しい者の道を知っておられる。
• ローマ人への手紙 2:6 - 神は人それぞれの行いによって報いを与える。
• 箴言 21:2 - 人の道は皆、主の前で正しいと思われる。
• エペソ人への手紙 6:8 - 何をするにも、心を込めて主に仕える。
• 詩篇 26:2 - 主よ、私を試み、私を訪ねてください。
• ヘブライ人への手紙 4:13 - すべてのものが神の前でさらけ出されている。
• マタイによる福音書 12:36 - 言葉によって人は裁かれる。

テーマ的なつながり

この節は、正義と無実についてのテーマに深く関わっています。ヨブ記全体を通じて、ヨブは神の正義を信じ、自らの無実を訴えています。また、他の聖書の箇所でも同様のテーマが繰り返し強調されています。

結論

ヨブ記 31章6節は、個人の無実を神に証明するという深い懇願を表しています。神の正義を求める姿勢は、新約聖書における信仰とも強く関連しています。この節の理解を深めることで、他の聖書の教えとも深い関係が見えてきます。信者として、私たちはヨブのように、神の前での自己評価と神の正義に心を向けることが求められています。