ヨハネの福音書 15章19節の聖書の解説

聖書の該当箇所: ヨハネの福音書 15章19節

内容: 「もしあなたがたが世のものであったなら、世は自分のものであるものを愛する。しかし、あなたがたは世のものでない。むしろ、わたしがあなたがたを世から選び出したからである。」

聖書の意味と関連性

この節は、イエス・キリストが弟子たちに対して語った言葉です。彼は、信仰と世俗的な生活の関係について強調しています。

• 選ばれた者の特権: 弟子たちは世のものではなく、神から選ばれた存在であるという特権を持っています。
• 世との対比: この世と神の国との間には明確な対比があり、世は神に反対する勢力を代表しています。
• 愛の基準: 世は自分のものを愛し、信者は神の選びによって、世に対して別の愛の基準を持つことが求められます。

聖書の解釈と洞察

この節に関する主な解釈は、以下の通りです。

• マシュー・ヘンリー: ヘンリーは、イエスの指導者としての役割を強調し、信者たちが世から分けられていることの重要性を論じています。
• アルバート・バーンズ: バーンズは、神の選びと世の反対に焦点を当て、信者が持つべき態度を探求しています。
• アダム・クラーク: クラークは、この世におけるクリスチャンの位置付けと、イエスの教えから受ける影響について詳述しています。

聖書のテーマと交差参照

この節は、次の聖書のテーマや節と関連しています。

• ローマ人への手紙 12章2節 - この世に従わず、神の意に適った生き方をすることを奨励しています。
• 1ヨハネの手紙 2章15-17節 - 世を愛してはいけないと警告し、神を愛することの重要性を述べています。
• マタイの福音書 6章24節 - 二つの主人に仕えられないことを示し、信者の果たすべき立場を強調しています。
• フィリピ人への手紙 3章20節 - 信者の国籍は天にあることを示します。
• ペテロの手紙第一 2章9節 - 神の選ばれた民としてのアイデンティティを確認します。
• ヨハネの福音書 17章14-16節 - イエスが弟子たちを世の中でどのように守るかについて語っています。
• ローマ人への手紙 8章31節 - 神が私を味方されるなら、誰が私に対抗できるか、という力強い励ましを与えます。

結論

ヨハネの福音書 15章19節は、信仰と世俗的な価値観との衝突を描写しています。信者は神からの選びによって世から分けられ、そのために特別な愛の基準で生きることが求められています。信者に対する激励と警告がこの節には込められており、信仰生活においての特別な使命を意識させるものです。