ヨハネの福音書 20:22 の解説と霊的な意味

聖句:「こう言ってから、彼らに息を吹きかけて言われた、『聖霊を受けなさい。』」 (ヨハネ 20:22)

この聖句は、イエス・キリストが甦った後、弟子たちに現れ、聖霊を受けるように命じた重要な瞬間を示しています。この出来事は新約聖書において、弟子たちに対する聖霊の賜物の授与を象徴しています。

聖句の意義と解釈

以下に、聖句の解釈および聖霊の贈与に関する重要なポイントをまとめます。

• 神の力の賜物:

  イエスが弟子たちに吹きかけた息は、旧約における神の霊が人間に与えられた例を思い起こさせます。創世記 2:7によれば、人が生きる存在となるために神の息が必要でした。この新たな息は、霊的な力と導きを示します。

• 使徒としての任命:

  この瞬間、イエスは弟子たちを使徒として任命し、彼らに聖霊を通じて神の働きを行う力を与えました。マタイ 28:19-20の大宣教命令に繋がる重要なスタート地点です。

• 聖霊の役割:

  聖霊は信者に力を与え、導く存在として、使徒の働きにおいて重要な役割を果たします。使徒 1:8では、「聖霊があなたがたに臨む時、あなたがたは力を受ける」と記されています。

• 罪の赦し:

  続いて、イエスは「あなたがたの罪を許す者は許され、許さない者は許されない」と言います。これは、教会が罪の赦しを伝える権威を持つことを意味します。弟子たちは、聖霊を通じて神の赦しを表現する使者となります。

• ペンテコステとの関連:

  この聖霊の受け取りは、後のペンテコステでの聖霊の降臨と関連があり、使徒 2:1-4においてさらに強調されます。イエスが最初に聖霊を与えたことは、教会の形成の基準となります。

• 信仰の復活:

  この瞬間は、弟子たちにとってイエスの復活を確認し、信仰を新たにする機会でもありました。彼らはもはや恐れによって支配される存在ではなくなります。

• 霊的な交わり:

  聖霊を受けることで、弟子たちは霊的な交わりを持つことができるようになります。彼らは互いに励まし合い、信仰の共同体を築く力を得るのです。

関連する聖句の交差参照

この聖句は、以下のようないくつかの聖句と深い関連を持っています。これらは、聖霊の働きや神の意図に関する理解を深めます：

• ヨハネ 3:34 - 神が自らの霊を分け与える方法。
• ローマ 8:9 - 聖霊を持つことの重要性。
• ガラテヤ 5:22-23 - 聖霊の実。
• 使徒 1:8 - 聖霊の降臨と力の受け取り。
• マタイ 28:19-20 - 大使命とその実践。
• エペソ 1:13-14 - 聖霊の印としての信者の保証。
• 使徒 2:38 - 聖霊を受けるための悔い改め。

終わりに

ヨハネの福音書 20:22は、ただの歴史的な出来事ではなく、信者にとって霊的な深い意味を持つ瞬間です。聖霊の受け取りは、教会生活の中心的な要素であり、神との交わりの新しい時代の幕開けを示しています。聖霊が与えられることによって、私たちは信仰を深め、教会の使命を果たす力量を得るのです。