民数記 11:26 の解説

聖句: 「しかし、二人の男がキャンプの中に残っていて、名はエルダデとメダデという。彼らはモーセに従って、聖霊が彼らの上に臨むのを見て、預言した。」（民数記 11:26）

聖句の背景

民数記のこの章は、神がモーセに与えた指導者たちを立てる場面を描写しています。モーセはイスラエルの民の重荷を負っており、神は彼に助け手を与えるために、70人の長老に聖霊を注ぎます。しかし、エルダデとメダデという二人の長老もその場におらず、キャンプの中で預言したと記されています。

聖句の解釈と意味

• エルダデとメダデの役割:

  彼らは公式の長老ではないにもかかわらず、神の霊を受けて預言する特権を与えられました。この点は、神がどこにでもその意思を行う能力を持っていることを示しています。

• モーセの反応:

  モーセはこのことに対して妬みを示さず、むしろ喜びをもって受け入れています。この姿勢は、彼が神の計画を受け入れ、他者の奉仕を認める謙虚さを持っていることを示します。

• 預言の普遍性:

  この出来事は、信仰者全てに神が聖霊を注がれる可能性があることを示唆しており、新約時代の教会における聖霊の働きを先取りしているとも言えます。

聖書のテーマ的なつながり

この聖句は、以下の聖句とテーマ的なつながりがあります。

• 出エジプト記 18:17-23 - モーセに対する助け手の必要性。
• 使徒の働き 2:17 - 神が全ての人に聖霊を注ぐ約束。
• ヨエル書 2:28-29 - 後の時に霊が所有される予言。
• ローマ人への手紙 12:6-8 - 信者に与えられた賜物の使い方。
• コリント人への第一の手紙 12:7 - 聖霊による賜物の多様性。
• ヘブル人への手紙 2:4 - 神が奇跡と不思議なことを通して福音を示したこと。
• ルカの福音書 11:13 - 神は求める者に聖霊を与えてくださる。

聖書の解釈におけるクロスリファレンス

聖書の研究においてクロスリファレンスを使用することは、文脈を深く理解し、さまざまな聖句の関連性を把握するのに役立ちます。以下はこの聖句に関連する聖書のクロスリファレンスです。

• 出エジプト記 31:3 - 神が技術と知恵を与える。
• 士師記 6:34 - 主の霊がギデオンに臨んだ。
• サムエル記上 10:10 - サウルが預言者と共にいる。
• エゼキエル書 36:27 - 神が霊を与えて心を新たにする。
• 教会の使徒の働き 10:44 - ペテロが獣と人々に聖霊が臨む様子。
• テモテへの第一の手紙 4:14 - 賜物に対する注意。

結論

民数記 11:26 は、神が選ぶ者に預言の力を与えることを示す強力な聖句です。この事例は、神の業の広がり、リーダーシップの重要性、そして信者が聖霊を持つことの意味について深い省察を促します。これらの洞察は、聖書全体を通じて反映されており、他の聖句と交わることで、私たちの信仰と理解をさらに深めることができます。