ローマの信徒への手紙 13章14節の解説

「むしろ、主イエス・キリストを着なさい。そして、肉に従っての思いをもって、自分のために備えをしてはいけません。」（ローマ 13:14）

聖句の背景：

この聖句は、パウロがローマの信徒たちに向けて書いた手紙の中にあります。全体の文脈では、信者が社会の中でどのように行動するべきか、またイエス・キリストに則って生きる重要性について説明されています。

主な解釈：

• キリストを「着る」という意味：

  この部分は、キリストの性質や徳を身につけることを意味しています。マシューヘンリーによれば、キリストを「着る」ことは、信者が日常生活で彼の教えを具体的に示すことを示唆しています。

• 肉的な欲望からの解放：

  アルバート・バーンズは、信者が肉に従っての思い（肉的な欲求）から解放されるべきであると強調しています。これは、精神的な成長と聖なる生活に入るための準備とみなされます。

• 社会的責任：

  この節は、信者が社会の中でどのように振舞うべきかをも指導します。アダム・クラークは、信者が他者に対して愛と親切を持って接することが不可欠であることを指摘しています。

聖句の適用：

ローマ 13:14は、現代のクリスチャンにとっても重要で、キリストを生活の中心に置くことで、本当の自由と希望を見出すことができると教えています。日々の決断や行動において、キリストの教えを反映させることが求められます。

関連聖句

• ガラテヤ 5:16 - 「だから、霊に導かれて歩みなさい。」
• エペソ 4:24 - 「神のかたちに似た新しい人を着ること。」
• コロサイ 3:10 - 「新しい人を着て、知識において再創造される。」
• マタイ 5:16 - 「あなたがたの光を人々の前に輝かせなさい。」
• 1ペテロ 5:8 - 「身を慎み、目を覚ましていなさい。」
• ルカ 9:23 - 「自分を否定して、毎日自分十字架を背負いなさい。」
• ローマ 8:13 - 「肉によって生きるなら、必ず死ぬ。」

聖句のテーマ的つながり

この聖句は、他の聖句と比べることで、信者がどのように生きるべきかについての理解が深まります。ローマ11章やコロサイ3章といった他のパウロの手紙とも関連しており、信仰と行動の一致が強調されています。

聖書の交差参照の重要性：

聖書のさまざまな部分を交差参照することで、テーマをさらに深く理解することができます。このような交差参照は、聖書全体のメッセージと教えを一貫して受け取るための重要な方法です。

まとめ

ローマの信徒への手紙13章14節は、主イエス・キリストを「着る」ことにより、肉的な欲望を避け、信仰に基づいた生活を送ることが強調されています。他の聖書の教えと連携させながら、この聖句の意味を理解し適用することが、クリスチャンの成長に貢献するでしょう。信者は、日々の生活において神の教えを忠実に反映させることが求められています。