1コリント 10:2 の解説

聖句: 1コリント 10:2 - "彼らは皆、モーセのもとでバプテスマを受け、皆、同じ霊的な食物を食べ、皆、同じ霊的な飲み物を飲みました。"

聖句の背景

この聖句は、使徒パウロがコリントの教会の信者たちに伝えた教訓の一部です。彼は、イスラエルの民がエジプトを出て荒野を旅する際に体験した出来事を引き合いに出し、彼らがどのように神と特別な関係を持っていたかを強調しています。これは、キリストに結びつく信者たちに対しても適用される教訓です。

主要な解釈

この聖句の解釈には、以下のような重要なポイントがあります：

• バプテスマ: イスラエルの民がモーセの指導の下で経験した霊的な洗礼は、キリストのもとでの新しい契約の象徴です。この洗礼は、信者が神の民として受け入れられることを意味します。
• 霊的な食物: 神が彼らに与えたマナは、キリストの象徴でもあり、信者にとって霊的な滋養の源です。ヨハネの福音書6章では、イエスが「私は天から下りてきたパンである」と教えています。
• 霊的な飲み物: この飲み物は、神の与える命の水であり、渇きを癒やすものです。ヨハネの福音書4章では、イエスがサマリアの女性に「私が与える水を飲む者は、決して渇くことがない」と言っています。

解説者の見解

以下の著名な解説者たちの見解をもとに、この聖句の意味を更に深く理解できます：

• マシュー・ヘンリー: 彼は、モーセの時代のイスラエルの人々が神の恵みを受け、信仰の旅をしていたことを指摘し、現代の信者においても同様の霊的経験があるべきだと述べています。
• アルバート・バーンズ: 彼はこの聖句を通じて、キリストにあっての一体感がどのように信者を結びつけるかを強調し、教会の一致を実現する重要性について言及しています。
• アダム・クラーク: クラークは、マナと水の象徴がイエス・キリストとの関係を強調していることを説明し、これを理解することで、信者の信仰がより深まると強調しています。

関連する聖句（クロス・リファレンス）

この聖句に関連する聖書の箇所には以下があります：

• 出エジプト記 14:21-22 - モーセが海を分けたこと
• 出エジプト記 16:4 - 天からの食物（マナ）
• 出エジプト記 17:6 - 岩から水を出す奇跡
• ヨハネの福音書 6:35 - キリストが命のパンであることを宣言
• ヨハネの福音書 4:14 - イエスが命の水を与えることについて
• ヘブライ人への手紙 10:1 - 旧約の儀式が新約での真実を指し示すこと
• ローマ人への手紙 6:3-4 - キリストにあっての新しい生

まとめ

1コリント 10:2は、古代イスラエルの経験を通じて私たちに深い霊的教訓を与えています。この聖句は、私たちの信仰の旅がキリストに結びつくこと、そして、神の与える霊的な食物と飲み物によって日々の生活の中で強められることを思い起こさせます。神との関係を深め、お互いの信仰を支え合うために、この聖句の理解を深めていきましょう。