聖書の箇所: 2コリント12:7

聖句の概要: この聖句では、パウロが神からの特別な啓示を受けたこと、そのゆえに高ぶることを恐れて、神が彼に「棘」を与えたと述べています。この「棘」は、パウロにとっての試練であり、彼の謙遜を保つための神の意図があったと考えられています。

聖書の箇所の理解

この箇所は、パウロの神秘的な経験と神の恵みのとらえ方を示しています。彼は高い啓示を受けたにもかかわらず、その啓示によって高ぶることを防ぐために、神が彼に与えた「棘」によって、常に謙虚でいるように促されているのです。

主要な聖書解釈

• マシュー・ヘンリー の解釈:

  マシュー・ヘンリーは、この「棘」について、パウロが自身の成長と信仰の深化を促すための教訓と見なしました。高い啓示の後に与えられた試練は、神の恩恵の一部であると強調しています。

• アルバート・バーンズ の解釈:

  アルバート・バーンズは、「棘」は肉体的または精神的な苦痛を示し、パウロにとって神からの信号であると説明しています。この苦しみが彼の忠実さを確認する道となったのです。

• アダム・クラーク の解釈:

  アダム・クラークはこの試練を理解する際に、常に神の目的が見えなくても、試練の中での信頼こそが重要だと指摘しています。彼は、「棘」がパウロに与えた影響を強調し、神の計画に従う意義を探っています。

この聖句との関連性を持つ他の聖句

• 詩篇 119:71: 「私が苦しんだことは、私に良いことであった。」
• ローマ 5:3-5: 「試練は忍耐を生み出し、忍耐は練達を、練達は希望を生み出します。」
• ヤコブ 1:2-4: 「さまざまな試練に遭ったときは、すべてのことを喜びなさい。」
• 2テモテ 3:12: 「信仰に生きる者はすべて迫害を受ける。」
• コリント人への第一の手紙 10:13: 「あなたがたが受ける試練は、あなたがたに対しての人間的なものである。」
• フィリピ 4:13: 「私は私を強くしてくださる方によって、すべてのことができる。」
• ヘブル 12:1-2: 「私たちには、多くの証人がいるのだから、すべての重荷と容易に引き起こす罪を捨て去り、忍耐をもって立ち続けましょう。」

聖句の神学的背景

この聖句は、パウロの生涯における神の働きと、試練の中での成長を示しています。パウロ自身が自らの経験を通して、信仰の力と神の恵みを強調し、人々にとっての模範として生きようとしました。

パウロの手紙と神の恵み

この聖句は、他のパウロの手紙、特にローマおよびエフェソの信徒への手紙と強く関連しています。パウロは常に神の恵みと人間の無力さを対比し、その中でギリシャ・ローマ文化に対する神の真理を堅持しています。

エンドユーザーへのアドバイス

この聖句を通じて学ぶことは、多くの試練と苦しみが神の計画の一環であることを理解することです。あなたの人生の中での「棘」は、あなたをより成長させ、信仰の旅においての強さを増すためのものです。

結論

2コリント12:7は、信仰を通じた試練に関する深い洞察を提供します。パウロの例を通じて、私たちは試練の重要性とその先にある神の恵みを見つけることができます。聖書の他の多くの箇所と相互に関連させることで、私たちの理解はより深まることでしょう。