ヨハネによる福音書 13:32 の聖書解釈と意味

聖句: ヨハネによる福音書 13:32

内容: 「もし子が栄光を受けるなら、父も子を栄光で満たされ、また父は子を栄光で満たされる。」

聖書の背景

この章は、イエスが最後の晩餐を囲んでいる場面から始まります。弟子たちに対する最終的な教えや示唆が展開され、十字架の死を暗示しています。

聖書の解釈とコメント

この節は、イエスが自らの死と復活を通して神の栄光を示す重要な教えを含んでいます。以下に、著名な解説者の見解をまとめます。

• マシュー・ヘンリーの解説:

  ヘンリーはこの節をイエスの苦しみとその結果としての栄光に焦点を当てています。彼は、イエスが十字架によって人間の救いを完了させ、そのことを通して父である神が栄光を受けると強調します。

• アルバート・バーンズの解説:

  バーンズは、ここで言われている「子」はイエスを指し、その栄光は彼の死や復活と結びついていると説明します。彼は、神の栄光がイエスを通じて明らかにされる旨を詳述し、その栄光は信者にも与えられると述べています。

• アダム・クラークの解説:

  クラークは、この聖句が持つ神秘的な意味を探求し、神の栄光が父と子の関係から流れ出ることを示しています。彼は、イエスの死によって示される神の慈愛が、さらなる栄光をもたらすと強調します。

関連する聖書の交差参照

• ヨハネ 17:5: 「今、父よ、あなたのもとで私を栄光で満たしてください。私が世界の始まる前にあなたのもとにあった栄光を。」
• ローマ 8:18: 「私たちの受ける苦しみは、示される栄光に比べることができません。」
• エペソ 1:12: 「私たちが、彼の栄光をほめ称えるために、神にあって選ばれた者となることが目的です。」
• フィリピ 2:9-11: 「だから、神は彼を高く上げ、全ての名の上に、その名を置かれました。」
• ペテロの第一の手紙 4:13: 「キリストの栄光を現すために苦しむとき、喜びをもって望みを持ち続けなさい。」
• マルコ 8:38: 「私を否認する者は、私が父の栄光の中に来る時に、私もその者を否認する。」
• ヘブル 2:10: 「救いの先駆者であるイエスが、苦しみによって栄光を受けることは、神にて合理的です。」

聖書のテーマと相互参照の重要性

聖書を深く理解するためには、聖句同士の相互参照や、テーマを通した聖書探索が不可欠です。この節における「栄光」の概念は、他の聖句における神の栄光やイエスのメッセージとも関連しています。このような交差参照を利用することで、聖書全体の文脈を理解しやすくなります。

結論

ヨハネによる福音書13章32節は、イエスの死と栄光の間の深い繋がりを示しており、神の計画の中で私たちがどのようにその栄光を体験するかを教えてくれます。この聖句は、信者に対し、苦しみの中でも神の栄光を見出すことができる希望のメッセージを伝えています。