ヨハネによる福音書 13:33 解説

聖句: 「子たちよ、まだしばらくの間、私はあなたがたと一緒にいる。しかし、あなたがたは私を探し求めるが、私の行くところには、あなたがたは来ることができない。」

ヨハネ13:33は、イエスが弟子たちに向かって語った重要な言葉であり、彼の死と復活、さらには弟子たちの未来についての明確な指針を与えています。この聖句は、イエスの公の生涯の重要な瞬間を象徴しており、神の計画における弟子たちの立場を強調しています。

聖句の背景

この章は、最後の晩餐中にイエスが弟子たちに最後の教えを与える際に書かれています。イエスはすでに自らの死が近いことを知っており、弟子たちに彼の不在がもたらす影響を考えさせています。

解説のポイント

• 子たちよ: ここでの「子たち」は、弟子たちへの親しみを示しており、イエスが彼らを大切に思っていることが表れています。
• しばらくの間: このフレーズは、イエスの肉体的な存在が、彼の死の後に一時的に失われることを示唆しています。
• 私を探し求めるが: これは、イエスが去った後に弟子たちが感じるであろう混乱と喪失を表現しています。
• 私の行くところには: イエスの行先についての言及は、後に彼が天に昇ることを予告しています。
• あなたがたは来ることができない: 弟子たちがイエスの国に行くことの難しさを示し、同時に信仰の必要性を強調しています。

著名な解説者のコメント

マシュー・ヘンリー: 彼は、この聖句が弟子たちにとっての試練と彼らがイエスの存在を失う痛みを強調していると述べています。また、イエスが彼らに与える愛の約束をも信じることが重要であることを指摘しています。

アルバート・バーンズ: バーンズは、イエスの言葉が持つ深い意味と、弟子たちの内面的な混乱に焦点を当てています。彼は、弟子たちがこの教師を失うことの意義について、思慮深く考えるべきであると解説しています。

アダム・クラーク: クラークは、この言葉がイエスの愛と弟子たちへの警告の両方を含んでいることを説明しています。彼は、イエスの去り方が彼らに求める信仰を深める可能性について言及しています。

交差参照聖句

• ヨハネの福音書14:3 - 「私は行って、あなたがたのために場所を用意します。」
• マタイの福音書 26:31 - 「すべての人が私を見捨てると、あなたがたは今夜私を見捨てるでしょう。」
• ヨハネの福音書16:7 - 「しかし、私は真実を言います。私が去ることはあなたがたに益となるのです。」
• 使徒の働き1:9 - 「これを言うと、彼らが見ている前で天に上がった。」
• ローマ人への手紙8:35 - 「誰が私たちをキリストの愛から引き離すでしょうか？」
• ルカの福音書 22:28 - 「あなたがたは、私の試練に耐えたものです。」
• ヘブライ人への手紙 13:5 - 「神は決してあなたを見捨てたり、離れたりせず。」

結論

ヨハネ13:33は、イエスの去りゆく姿と、それに伴う弟子たちの心情を深く示しています。我々はこの聖句を通して、イエスがいかに弟子たちに愛を持って接し、彼らを力づけようとしていたかを理解することができます。聖書の他の箇所との結びつきを見いだすことで、この聖句の意味を豊かにすることができます。

聖書の交差参照の重要性

聖書を学ぶ際には、関連する他の聖句との比較や交差参照が非常に重要です。生徒たちがどのようにテーマに分かれ合ったり、共通の教訓を持ったりしているかを理解するための素晴らしい方法です。聖書の交差参照は、聖書全体の理解を深め、神の言葉の連続性を強調するためのツールです。