ルカの福音書 18:13 の解説

聖句: 「しかし、徴税人は遠く離れて立ち、自分の目を天に向けることもできず、胸を打ちながら言った、『神よ、私をあわれんでください。私は罪人です。』」（ルカ 18:13）

聖句の全体的な意味

この聖句は、イエス・キリストが描く二人の人物、すなわちパリサイ人と徴税人の比喩の一部である。この箇所では、神に対する謙虚さと悔い改めが強調されており、神の前での誠実な姿勢が重要であることを伝えている。

聖句の詳細な解釈

徴税人の姿勢: この徴税人は、距離を置いて立ち、周囲の人々との比較から逃れ、神との個人的な関係に焦点を当てている。

• 「遠く離れて立ち」: 彼は罪を意識し、神の前での自分の立場を理解している。
• 「自分の目を天に向けることもできず」: 彼の謙虚さと罪の意識が表れている。
• 「胸を打ちながら」: 彼の深い悲しみと悔い改めを示している。

神に対する呼びかけ

この福音書の中で彼は、ほかの人々に比べて自分が罪深い存在であると認識しており、神の慈悲を求めている。

• 「神よ」: 彼は神だけが救いの源であると認めている。
• 「私をあわれんでください」: 徴税人の求めは、神の恵みに対する信頼が込められている。
• 「私は罪人です」: 彼の告白は、真の悔い改めの象徴である。

公的な解釈とコメント

この聖句に対する公の解釈は、様々な著名な神学者によって行われている。以下は、解釈を行った神学者たちからの主なポイントである。

• マシュー・ヘンリー: 彼は、徴税人の誠実な悔い改めは神の前での主要な要素であると主張し、この姿勢が神の恵みを得る鍵であると述べている。
• アルバート・バーンズ: 彼はこの徴税人の心の内面を掘り下げ、彼が神に対する真摯な呼びかけを通じて、いかに罪の意識が重要であるかを解説している。
• アダム・クラーク: 彼は、この詩が示すように、パリサイ人のような自己義認ではなく、謙遜と悔い改めが神の前での真の評価であると論じている。

関連する聖句の紹介

この聖句に関連する重要な聖句を以下に示す。これにより、聖書の他の箇所との関係性を深く理解することができる。

• 詩編 51:1-2: 「神よ、私をあわれんでください。…私の罪を洗い流してくださいますように。」
• ルカ 5:32: 「私は正しい人を招くためではなく、罪人を招くために来たのです。」
• ローマ 3:23: 「すべての人は罪を犯した。」
• 1ヨハネ 1:9: 「もし私たちが自分の罪を告白するなら、神は忠実で正しい方なので、私たちの罪を赦し、全ての不義から清めてくださいます。」
• マタイ 5:3: 「心の貧しい者は幸いである。」
• 雅歌 1:8: 「私は辛い日々に、主の血潮を持つ。」
• エペソ 2:8-9: 「あなたがたは恵みによって信仰を通して救われたのです。」

まとめ

ルカ 18:13は、自己認識と神の前での謙遜さが重要であることを教えている。徴税人の後悔し、罪を自覚する姿勢は、すべてのクリスチャンが学ぶべき模範である。神の前での真の悔い改めは、信者が神の恵みを受け入れるための第一歩である。

終わりに

この聖句の理解を深め、他の聖句との関連付けを行うことは、聖書を学ぶ上で非常に有意義である。神の言葉からの教えを通して、私たちの信仰がより強く、深まることを願っている。