ローマ人への手紙 16:17 の解説

聖句: 「あなたがたに勧めます。自分の教えに逆らって人を迷わせる者たちを見つけるときは、その者たちに注意をかけてください。そんな者たちとは交わってはいけません。」（ローマ人への手紙 16:17）

この聖句の背景

ローマ人への手紙の最後の章で、パウロは教会の共同体に対する警告を発しています。彼は信者たちが識別すべき「迷わせる者たち」について言及し、彼らに注意を払うよう勧めています。これは教会内部の一致を保つための重要な助言です。

聖句の意味

この聖句は、以下の重要なポイントを示唆しています：

• 教義の純粋性: 信者は真理を守り、誤った教えに対して警戒しなければなりません。
• 分離を求めること: 迷わせる者たちとの交わりを避けることが、教会の健全さを保つために重要です。
• 個々の責任: それぞれの信者に、身近に存在する誤りに対する識別力が求められています。

公的ドメインの注解者たちの見解

以下のような広範な解釈があります：

• マシュー・ヘンリー: 彼は教会の忠実な守り手としての役割を強調し、信者が誤った教えと分かれなければならない理由を説明しています。彼は「神の羊は、羊飼いの声を聞き分けるべきである」と述べています。
• アルバート・バーンズ: バーンズはこの聖句の語彙的解析を行い、「迷わせる者たち」という表現がどのように適用されるかを見て、教会内の良き秩序を守ることの重要性を強調しています。
• アダム・クラーク: 彼はこの警告の文脈を説明し、信者が自分の信仰に危険をもたらすような影響を持つ者たちに対してどのように応答すべきかを詳述しています。

関連する聖句の交差参照

この聖句に関連する主なバイブル交差参照は以下の通りです：

• ガラテヤ人への手紙 1:8-9 - 他の福音に背いた者への警告
• テサロニケ人への第二の手紙 3:6 - 無秩序のものから避けるように
• コロサイ人への手紙 2:8 - 誤った哲学や伝統からの警告
• マタイの福音書 7:15 - 偽の預言者についての警告
• 使徒言行録 20:28-30 - 教会を守る者たちへの勧告
• 第一ヨハネの手紙 4:1 - 精霊を試すことの必要性
• 第二ペテロの手紙 2:1 - 偽教師が現れることへの警告

まとめ

ローマ人への手紙 16:17 は、信者に対して誤った教えに対する警戒心を呼びかけています。この聖句は教会の一致と純粋性を守るために重要であり、信者一人一人が教義をしっかりと理解し、守ることが求められています。主の教えに基づいた交わりを持ち、外れた教えには毅然とした態度で臨むことが求められています。