聖句の意味と解釈

この聖句は、信者が互いに偽りを言うべきではないことを強調しています。これは、古い自己を捨て去り、新しい自己を受け入れることによって、信仰の生活において真実を求める姿勢を意味します。

• マシュー・ヘンリーの見解:

  ヘンリーは、クリスチャンが真のコミュニティを構築するためには、互いに誠実である必要があると述べています。偽りは分裂を生むため、真実は信頼と調和を育むとのことです。

• アルバート・バーンズの考察:

  バーンズは、この聖句が信者間の道徳的規範を示しているとし、互いの思いやりが求められていると解釈しています。嘘をつくことは、新生の性質に反する行動であると指摘しています。

• アダム・クラークの解説:

  クラークは「古い人」とは、罪が支配する旧い自己を指し、それを脱ぎ捨てることで新たな人格が形成されるとの見解を示しています。これは、キリストにあって新しいクリーチャーであることを意味します。

この聖句に関連する聖書の参照

• エペソ人への手紙 4:22-24: 古い自己を脱ぎ捨て、新しい人を着ることを教えています。
• ローマ人への手紙 6:6: 永遠の命に至るために、古い自己が十字架にかけられたことを述べています。
• 1ペテロ 2:1: 偽りを捨て、誠実さを求める信者の姿勢を示します。
• ヨハネの福音書 8:44: サタンを「偽りの父」と呼び、偽りの危険性を警告します。
• ガラテヤ人への手紙 5:24: キリストに属する者たちは肉の欲を十字架にかけるべきであると教えています。
• コロサイ人への手紙 3:5: 地上的なものを死なせること（自己を否定する）を求めています。
• フィリピ人への手紙 1:27: 福音にふさわしい生活を送ることの重要性を強調しています。

テーマに基づいた解釈

この聖句に示される「互いに偽りを言ってはいけません」という教えは、クリスチャン共同体の倫理における中心的な要素です。偽りは相互信頼を損ない、教会内の一致を妨げるため、誠実さが必要です。

この原則は、他の多くの聖書のテーマと関連しています。たとえば、以下のような聖書の教えがこれに関連します。

• 真実の礼拝: ヨハネ4:24では、神を礼拝する者は霊と真実によって礼拝しなければならないとされています。
• 神の言葉に対する従順: 詩篇119:11では、神の言葉を心に蓄えることで罪を避けることができると教えられています。
• 隣人を愛すること: マルコ12:31には、「あなたの隣人をあなた自身のように愛しなさい」という教えがあり、関係性における誠実さが求められています。

まとめ

コロサイ人への手紙3章9節は、クリスチャンとしての生活において真実を守ることの重要性を説いています。偽りは古い自己との関係を示しているため、それを脱ぎ捨てることで新しい人生を生きるように祈られています。

理解を深めるためのリソースとして、聖書の辞典や神学書、聖書研究のツールを使うことが重要です。これにより、信者は真実に基づいた生活を送ることができます。