ルカの福音書 13章32節の解説

イエスは「ヘロデに言え、今日は明日と、そして三日目には完全に仕上げます」と述べています。この聖句は、イエスがその働きを遂行する決意と、迫っている苦しみを示しています。ここでは、イエス・キリストの使命とその完成に向けた心意気が強調されています。

この聖句を理解するためには、注解書を参照することが重要です。以下に、著名な解説者の視点を引用します。

解説者たちの見解

• マシュー・ヘンリー:

  マシュー・ヘンリーは、この節がイエスの大胆さを示すと述べています。彼は世俗的な権力者であるヘロデにも怯まず、自らの使命を全うする意志を強調しています。このことは、信仰を持つ者が神の真理を伝えることの重要性を象徴しています。

• アルバート・バーンズ:

  バーンズは、イエスが自らの死と復活を見据えた上でこの言葉を発したと解釈しています。彼は、イエスがその働きを続ける中で自分の運命を受け入れる姿勢を示し、神の計画の達成に自信を持っていることが描写されています。

• アダム・クラーク:

  クラークは、イエスの言葉の背景には、神が用意した救済の計画があることを強調します。この節は、イエスが自己を犠牲にしてでも神の旨を遂行する意志を持っていることを示し、信者には神の計画を信じることの重要性を訴えています。

関連する聖句との比較

この聖句は他のいくつかの聖句とも関連しています。以下にその例を挙げます。

• マタイ 23:37 - 「エルサレム、エルサレム、預言者たちを殺し、遣わされた者たちを石打ちにする者よ。」
• ヨハネ 10:11 - 「私は良い牧者です。」
• ルカ 19:41-44 - エルサレムの滅びの予告
• マタイ 26:2 - 「あなた方に言いますが、過越の祭りの二日前に、人の子が引き渡されることになっています。」
• マルコ 8:31 - 「人の子は多くの苦しみを受け、長老たちと最司祭たちと書記たちから捨てられる。」
• ルカ 9:22 - 「人の子は多くの苦しみを受け、排斥され、殺される。」
• 使徒 2:23 - 「神の定めた計画によって、彼が引き渡されたことを知るがよい。」

聖書のテーマとの繋がり

この聖句を通じて、イエスの使命、神の愛、そして人の救済というテーマが明確に結びつきます。また、イエスの言葉は確固たる信念に基づくものであり、私たちにも強い信仰を求めています。

結果的に、この節は信者にとって力強い激励となり、自らの信仰を再確認し、信仰に基づいた行動を促すものです。