ヨハネの福音書 5:45 の聖書解釈

聖句: ヨハネの福音書 5:45
「あなた方は、私があなた方のために父の前で告訴することができると思っていますが、そこにあなた方を告訴する者がいます。その者はモーセです。あなた方は彼に望みをかけています。」

聖句の解釈と意義

この聖句は、イエス・キリストがユダヤ人たちに向けて語った言葉であり、彼らのモーセへの信仰に対する批判を含んでいます。以下に、重要な観点をまとめます。

• モーセへの依存:

  イエスは、ユダヤ人たちがモーセの教えに頼っていることを指摘しています。彼らはモーセを通じて神の啓示を受けていると信じ、彼が彼らの弁護者であると考えています。

• イエスとモーセの関係:

  イエスはモーセが自らのことを証ししていると述べています。モーセの教えは、イエスの到来を予告しており、ゆえにユダヤ人たちがモーセに希望をおくことは、逆にイエスを拒むことになると警告しています。

• 告訴者としてのモーセ:

  モーセは安易に信仰の象徴とされる存在ですが、最終的には法を守れなかった者たちを告発する役割を持っていることが示されています。

聖書解説者たちの見解

マシュー・ヘンリー: 彼はこの聖句を、モーセの教えが救いを提示するものであるのに対して、それを受け入れないことが悪であることに焦点を当てています。彼は、モーセの教えが最終的にはイエスを指し示すものであると強調しています。

アルバート・バーンズ: バーンズは、イエスとモーセの教えの一致を強調し、モーセの法がイエス・キリストによって成就されたという視点で解釈します。彼にとって、モーセの教えはキリストを示す象徴であり、これを理解することが信仰の核心であると述べています。

アダム・クラーク: クラークは、モーセ自体がイエスの来臨を告げていたという点に着目し、聖句の文脈を深く探求しています。彼は、モーセが正しい信仰の象徴であり、彼を通じてイエスを理解することの重要性を強調しています。

関連する聖書の参照

• ルカ 24:27 - モーセからすべての預言者についてイエスが説明したこと
• ヘブライ 3:5-6 - モーセの家は神の家であり、キリストはその家の主人であること
• ヨハネ 1:17 - 律法はモーセを通じて与えられ、恵みと真理はイエス・キリストを通じて来たこと
• ローマ 10:4 - キリストは律法の完成であり、すべての信者のための義をもたらすこと
• マタイ 5:17 - イエスが律法や預言者を廃止するために来たのではなく、成就するために来たこと
• 使徒 3:22 - モーセが預言した預言者がイエスであることについての言及
• ヨハネ 5:39 - 聖書の中でイエスを証しすることが求められていること

結論

ヨハネの福音書 5:45は、モーセの教えとイエス・キリストの関係を深く理解させる重要な聖句です。この聖句は、イエスがどのように旧約聖書と結びついているのかを探求する上での出発点となり、信仰における真実を明らかにします。まともにモーセを理解することで、イエスへの信仰が深化することが期待されます。